収益不動産購入後の「管理」について
2023年11月03日
収益不動産を購入しようとしていますが、その後の物件の管理ついて外部の管理会社に委託するか、自分でおこなうかを悩んでいます。
管理と言えば、建物管理、家賃管理、契約管理に分かれるとおもいますが、それぞれのメリット・デメリットについて考えてみました。
収益不動産の管理を自分で行うか、外部の管理会社に委託するかは、所有者の経験、知識、時間、およびコストの対効果を考慮して決定することが重要です。
それぞれの管理項目に関してメリットとデメリットを見ていくことにしましょう。
1. 建物管理(ファシリティマネジメント)
・自己管理のメリット:
コスト削減: 管理会社に支払う管理費用を節約できます。
直接対応: 建物の問題に対して即座に対応でき、細かなニーズにも柔軟に応えられます。
コントロール: 管理のすべての側面を自分でコントロールできるため、意思決定が迅速になります。
・自己管理のデメリット:
時間がかかる: 定期的なメンテナンス、修理、トラブル対応などに多くの時間を要します。
専門知識が必要: 電気や水道などのインフラの知識や法規制の理解が必要です。
緊急時の対応: 緊急事態が発生した場合には、24時間体制で対応する必要があります。
・外部委託管理のメリット:
プロフェッショナルな対応: 専門の知識と経験を持つプロが管理を行うため、品質が保証されます。
時間の節約: 管理業務に関する時間を節約し、他の業務や私生活に充てることができます。
リスクの軽減: 法規制の遵守、適切な保険の選定など、リスクマネジメントを委託できます。
・外部委託管理のデメリット:
コスト: 管理会社に支払う費用が発生します。
コントロールの喪失: 自分で直接管理しないため、管理の質やスピードに影響される場合があります。
2. 家賃管理(レントマネジメント)
・自己管理のメリット:
家賃収入の最大化: 管理コストを抑えることで利益を最大限に保てます。
直接交渉: 入居者と直接コミュニケーションを取ることで、細かい要望にも応えやすくなります。
・自己管理のデメリット:
家賃回収の手間: 家賃の遅延や未払いに対応する必要があります。
法的問題: 契約違反が発生した場合の法的対応には知識と経験が求められます。
・外部委託管理のメリット:
定期的な家賃回収: 家賃の回収業務を定期的に行い、滞納があった場合の対応も代行してくれます。
法的支援: 契約の違反やトラブルが発生した場合の法的手続きをサポートしてくれます。
・外部委託管理のデメリット:
追加コスト: 家賃から一定の割合を管理費として支払うことになります。
人間関係の希薄化: 入居者との直接の関係が希薄になる可能性があります。
3. 契約管理(リーガルマネジメント)
・自己管理のメリット:
契約のカスタマイズ: 自分の条件に合わせて柔軟に契約内容を設定できます。
直接コミュニケーション: 契約更新時に入居者と直接交渉することができます。
・自己管理のデメリット:
法律知識が必要: 契約内容が法的に適切かを自分で把握する必要があります。
紛争の対応: 契約上のトラブルに対応するためのスキルと時間が必要です。
・外部委託管理のメリット:
法的な安全性: 法律の専門家によって、契約が適正に管理されます。
トラブルの専門的対応: 契約違反などの問題に対して専門的な対応をしてもらえます。
・外部委託管理のデメリット:
コスト: 契約管理のための追加費用が発生します。
カスタマイズの制限: 管理会社の標準的な契約を使用するため、柔軟性に欠けることがあります。
最終的には、不動産の所有者がどの程度の時間とリソースを管理に割り当てられるか、どの程度のコントロールを保持したいかによって、自己管理と委託管理のどちらを選択するかが決まります。
専門的な知識や対応を必要とする場合は外部委託管理が適していることが多いですが、費用を抑えて直接管理したい場合は自己管理が適しているでしょう。また、部分的に外部に委託し、ある程度の自己管理を行うハイブリッドなアプローチを取ることも可能だとおもいます。