サブリース契約の問題とは
2024年03月08日
サブリースについては、以下の最高裁判例がございます。
いまとなっては、非常に問題のある判例になってしまった印象を受けています。
**最高裁判決(平成15年10月21日判決)**:
- サブリース契約は、不動産賃貸借契約ではなく、事業委託契約であるから、借
地借家法32条1項による賃料減額請求を否定しないと判断されました。
- この判決により、サブリース契約においても借地借家法32条が適用されるこ とが確認されました。
この判例は、サブリース契約に関する法的問題を明確にしたものであり、サブリース契約に携わる方々にとって重要な判断となっています。
ここで問題となる原因が、借地借家法第32条の、**賃料増減請求権**を規定しています。
具体的には、建物の借賃が土地や建物に対する租税やその他の負担の増減、土地や建物の価格の変動、近隣同種の建物の借賃と比較して不相当になった場合、賃料の増減を請求できる権利を意味します。
サブリース契約においては、サブリース業者がアパートや賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げるため、一定の賃料収入が見込める一方で、近年、賃料減額をめぐるトラブルが発生しています。
サブリース契約をする際には、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してから契約することが重要です。
最高裁判所は、サブリース契約に借地借家法32条が適用されると判断しており、賃料の増減請求権がサブリース契約の問題となっています。
また、更新拒絶においても正当事由が必要とする借地借家法28条もサブリース契約で適用される判決が出ています。
また、サブリース契約にはいくつかの問題点が存在します。
以下に、サブリース契約における主な問題点を指摘おきますと・・・
1. **賃料減額のリスク**:
- サブリース契約では、不動産会社が賃料を保証してくれる一方で、将来的に
賃料が減額される可能性があります。
この点に注意が必要です。オーナーは賃料減額に対するリスクを理解し、契 約時に慎重に検討するべきです。
2. **入居者選定の制約**:
- サブリース契約では、不動産会社が入居者を選定します。オーナーは直接入居
者と交渉できないため、入居者の質や信頼性について不安が残ることがありま
す。
3. **収益性の低下**:
- 不動産会社は自身の利益を考慮して賃料を設定します。そのため、相場よりも
低い賃料で契約されることがあり、オーナーの収益性が低下する可能性があり
ます。
4. **売却難易度の増加**:
- サブリース契約を結んでいる物件は、売却が難しくなることがあります。将来
的に売却を検討する場合、この点を考慮する必要があります。
5. **オーナーの保護不足**:
- 最高裁判例により、賃借人である管理会社(宅建業者)が借地借家法の保護を
受けて守られる一方で、素人オーナーが保護されないケースが発生していま
す。
オーナー側は法的知識を持たないことから、不利な立場に立つことがあります。
これらの問題点を踏まえ、サブリース契約を検討する際には、契約内容やリスクを十分に理解し、信頼できる不動産会社との契約を検討することが重要です。
また、実際の民事裁判においては、サブリース契約は「投資」ではなく「事業」であると看做されます。
よって、サブリース契約の不備は単なる「事業」の失敗と判断されてしまうことが多いのが大きな欠点となっています。