正直不動産副読本①「囲い込み」後編

2022年06月25日

「囲い込み」を一言で表現するなら、不動産を売却しようとする売主様を騙し、仲介会社が自社の利益最優先の取引を強要する詐欺行為です。

不動産取引には「売主様」と「買主様」がいて、それぞれから3%の仲介手数料を頂戴できるため、両方が自社で決まると売上は2倍★ 当然、不動産業者は利益の大きな両直取引・両手売買が大好きです。隙を見つければ、自社の最大利益を得ようと、必要な説明を省略したり、酷いケースは嘘の説明行ったりします。←それって詐欺だよね!?

 

 

というテーマで、前編では具体的な悪い事例の紹介と解説をいたしました。

今回は「騙されないにはどうしたらいいの?」にフォーカスします。

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なぜ不動産業者は一般消費者を騙すのか

そもそも「なぜ、不動産業者は悪いことをするのか」

・・・やっぱり高額な「お金」に目がくらむのでしょうね。

 

不動産とは人生で1番高い買い物です。

数百万、数千万円、時には何億何十億という価格で取引される商品はなかなかありません。

 

そして個別要因が多く、専門家でないと判断できない項目が多岐にありすぎて、売る方も買う方もよくわかっていない。つまり騙されやすいという悲しい構造があるからだと思います。

不動産の賢い売り方とは

では、騙されない方法は?というと、

悪い不動産屋に負けないほどの知識武装をするか、信頼できる人を見抜く力を磨くか、ともかく、一朝一夕で身につくものではありません。

 

そこで、私見ですが「賢いな~」と思う売り方をご紹介します。

 

本音を言うと、確実に売主様の手数料が約束された専任媒介契約の方が宅建業者として嬉しいのは事実です。

業者も人間なので、タダ働きの可能性ある一般媒介より専任媒介が欲しいです!

 

だからこそ、取引上手な売主様は査定についてじっくり吟味した上で、専任媒介をくれる方が多い印象があります。

 

なぜ専任?

答えは明日にでも売らないと!と切羽詰まっていない限りは大きなデメリットがないから。

 

専任媒介とは、依頼した宅建業者が唯一の窓口となるからこそ、消費者の方の不利益にならぬよう、宅建業者に様々な義務がある契約形態なのです。

きちんと専任媒介契約の契約条文や約款を守った販売活動をさせれば、特殊な物件でない限り、売主様にとって悪いようにはなりません。

 

それから、査定をじっくり吟味することにも意味はあります。

すぐに返事がないと、一筋縄ではいかないオーナー様なのかな?とちょっと身構えます。

 

その上で、「専任の業者」に選んでもらえると「喜び」と「やる気」が芽生えます。

 

不動産は唯一無二のものだからこそ、売買をパターン化することは困難でAIにはできない仕事です。よって、最後は紹介する人間にかかってきます。

 

この担当者は人として信頼できるか?知識や経験に頼りがいはあるか?

何となく良さそうと感じても、やってみないとわからない。だったら、気持ちよく仕事させて、精一杯のパフォーマンスを引き出す。

 

盛り上げ上手な売主様だと、ついつい販売の優先順位が上がってしまいます。

 

もっというと(言いたくないけど)、3カ月やらせてみてダメだと判断されると、スパッと契約を満了されます。

担当者としては辛いですが、3カ月を無駄にさせたのなら受け入れるしかありません。

※この3カ月失うことは、売主様にとっても専任媒介を選ぶデメリットです。

 

ときに非情なほど判断が早い方こそ、悪い業者にも騙されない方だと思います。

本当に専任でいいのか

今まで専任媒介をお勧めしましたが、中には「一般媒介」の方が適した物件も存在します。

 

 

①秘密裡に売りたい物件

例えば、事故物件。売却理由が離婚。など。

物件が売りに出ていることを近所の方や、不特定多数に知られたくない事情があれば、指定流通機構登録義務のある専任媒介ではご希望に沿った売り方ができない場合がありますので、消去法で一般媒介が適しています。

 

②誰もが欲しがる魅力的な物件

都心の一等地にあるなど、誰もが欲しい!と感じる物件は需要が高いので、競争させればさせるほど、高く売れる傾向がより強いです。

専任媒介で流通機構を活用するのもいいですが「非公開物件」というブランドを保ちながら広く物件を知ってもらうには、流通機構登録義務のない一般媒介で、複数の業者を動かす方法もあります。

あえての「非公開」という考え方です。

流通機構に登録するということは、広く物件を知ってもらえる反面、誰でも知ってる物件ね、と見向きもしない層を生みます。いわゆるVIPな方々は特別な物件を求めており、あえて非公開にすることがブランド価値を生む場合があるのです。

 

③どうしても早く売りたい物件

事情があって早く現金化したい!そんなときは販売価格を査定額より抑えるのがセオリーですが、それだけでは不安というときに「一般媒介」にて業者の競争を煽る方法があります。

価格を抑えることで、魅力的な物件にすることができますので、早い者勝ち状態を作るのです。そこまでするなら、買取でいいじゃん!と思いますが、買取までは価格を妥協したくない場合に「ちょっとお得な物件」として売り出します。

ただし、価格設定を誤ると目論見が外れてしまうので、リスクを孕んでいることはお伝えしなくてはいけません。

 

②③はやりすぎると、干されますのでご注意ください。

大した魅力もない物件のくせに偉そうに・・・なんて思われたら、今まで胡麻をすっていた業者が波のように引いていきます。なにごとも程々が大事です。

さいごに

思っていた以上に、業者の本音や裏事情を語りすぎた気もしますが・・・

悪い不動産業者の被害者が一人でも減るなら!!との思いで勇気を出して公開します。

 

R産託コンサルタンツは正直不動産を自負しております!ぜひお困りになる前にご相談ください。