正常性バイアスの変化と不動産経営
2022年07月29日
ご紹介するこちらの考え方は、税理士・経営戦略コンサルタントである「塩見哲さん」が2000年の時点で、戦後50年の総括と、この先50年を予想された内容です。
2022年の現在、半分弱の月日が流れていますが、恐ろしいほどにあたっています。
と、いうことは、2023年~2050年の未来予測ができるということ・・・?
人口と経済
日本の人口は、戦後である1950年頃は約8,400万人でした。
2000年頃にピークである約1億2000万人に達したのち、2050年に約8,800万人に減少していくという予想です。
様々な指標がありますが、人口統計とその予測は、ほぼ正確です。
人口増加に伴う「需要増」により「モノ・ヒト・トチ」あらゆるものの価値が上がり続けたのは2000年頃まで。
2000年代の世界ではリーマンショックが起き、国内では東日本大震災の発生。現在、縮小している経済ですが、そもそも人口減少による「需要減」に抗わなくてはいけない時代なのですから、苦戦は致し方ないのでしょう・・・
では、社会や価値観が戦前に戻るのか?というと、そうではありません。
これからを生き残るために必要なことは「競争しない戦略」です。多様性を増した価値観、高まるマイノリティへの配慮、『個』を重んじるからこそ、『本物』が選ばれる時代になるのです。
不動産ビジョン2030との類似性
ところで、『不動産ビジョン2030』をご存知でしょうか。
社会資本整備審議会産業分科会不動産部会が、およそ四半世紀ぶりに「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」としてとりまとめたものです。
以下7項目の官民が共通で認識すべき目標を掲げています。
1、「ストック型社会」の実現
2、エリア価値の向上
3、新たな需要の創造
4、すべての人が安心して 暮らせる住まいの確保
5、不動産教育・研究の充実
6、安全・安心な不動産取引の実現
7、多様なライフスタイル・地方創生の実現
ご興味ある方は国交省のホームページにて詳細をご覧いただけます。
まさに「地方」「多様性」を意識した目標であり『個』を重んじています。
そして実現のために民に求める役割にて「サービスの質」「業者のコンプライアンス」を明記しており『本物志向』は官から求められていることでもあります。
不動産経営のヒント
このような時代背景を鑑みたときに、不動産経営を安定させるにはどうしたら良いでしょうか。
以前の市場拡大社会であれば「人海戦術」「二番煎じ」が通じました。
もちろん血みどろの市場に出ていく勇気が必要で、激しい競争にも晒されましたが、基本的には成功している方法を真似すれば、ある程度うまくいきました。
しかし、現在の賃貸経営は違います。
そもそも「競争しない市場を戦略する」という『独自サービス』の充実が求められるようになってきました。すでに周知の例ですと、シェアハウス・民泊・・・これらの初動の爆発力は記憶に新しいと思います。
そして「モノ・トチ」が余るからこそ『ストック活用』という展開に期待します。新築より安価な既存物件を利用する=コストを抑えるというのは、経営の基本の「き」ですね。
つまり『①安く仕入れて、②付加価値を高める』に尽きるということです。
ここからは私見になりますが、
①安く仕入れるには、相場を知っておく必要があり
②付加価値を高めるには、その物件やエリアにマッチした戦略が必須です
今、成功しているオーナー様はみなさん共通して勉強熱心で、経営にも積極的です。
反対に不動産仲介会社任せで物件を購入したり、管理に無関心であったり、不労を貫くオーナー様の多くは、会社(経営パートナー)選びを間違ったために破滅へのカウントダウン中という状況です。
どうか「不動産投資は不労所得」という甘い言葉に踊らされないでください!
不動産投資とは賃貸経営なのですから、事業者として責任があること、必ず念頭において始めましょう。
と、少々手厳しい言葉になりましたが、弊社では、相場より高い物件を勧めることはしませんし、付加価値アップの戦略を一緒に考えますので、パートナーを間違える前にお声掛けいただきたいです!
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